ドクペルー《記憶を編む》

23.03.02

#Repost @fukuoka_asian_art_museum
・・・
ドクペルー《記憶を編む》
ペルーから滞在しているホセ・バラドとヒメナ・モーラの2人によるドクペルー。
南米を中心に20年以上活動し、さまざまなテーマのドキュメンタリー映像を350本以上制作してきたプロジェクトユニットです。
福岡では、うきはの農園を中心として、そこに生まれ育った造形作家・松野真知さんを主人公に地域の生活や人々の暮らしを捉えました。
今回の滞在制作では自らの制作のみにとどまらず、公募により4組の制作チームを結成。
2か月間にわたるワークショップを通じて4組それぞれがオリジナルの短編ドキュメンタリーを完成させました。
ドクペルーがトークイベントで語っていた言葉の中で印象的だったのは、ドキュメンタリーや映像という表現は、映像制作を専門的に学んだ人だけのものではなく、表現として誰もが可能なことであり、その表現手段に対しての道は全員に開かれているべきである。
そして必ずしも大きな事件を取り扱う必要もなく、周囲の出来事や自分自身を表現する手段として、いつでも自由に用いられるべきだという、映像制作に対する彼ら自身の考えでした。
映像を作るうえで、技術や知識、キャリアなどよりももっと大切なことがあるということを、滞在中の制作、ワークショップや作品を通じて多くの人に伝えてくれています。
合計5つの映像作品を、アーティストカフェフクオカおよび福岡アジア美術館・アートカフェにて今回の滞在の成果として展示放映しています。
(アジア美術館では1つのモニターで全作品を連続放映、アーティストカフェフクオカでは4つのモニターが設置されWS作品が2作ごとに1基、グループE作品と全グループのメイキング映像に1基ずつ割当てられています。)
【各作品詳細】
◆グループA《モニカ- ただ単に生きる-》
日本に長年、拠点を置きながら生活してきたチリ人のモニカ。中南米のエッセンスをふんだんに取り入れたオリジナルレシピの料理教室やスペイン語教室、着物のリメイクなどをしながら、生きてきた。
「家を開き、家族や友人と過ごすことが高級レストランに行くことよりも、もっと大事で特別なこと」だと話すモニカの日常を追ったドキュメンタリー。
◆グループB《日々を組む-KUMU-》
鉛の活字を組み合わせた版を使い印刷する活版技術。「文林堂」社長・山田善之さんは、現在も福岡市で活版印刷を守り続けている。活字を組むように日々を送る山田さんの今と記憶を辿る。
◆グループC《キャベツと灯篭です》
100歳の現代美術作家齋藤秀三郎さん。齋藤さんの代表的な作品である、キャベツと灯籠。人間の「死」とはその人がこの世からいなくなるわけではなく見えないだけそこに存在している。文明も同様に形を変えて残り続けているものがある。生き抜いてこられた100年や作品に思いを馳せ、齋藤さんの哲学に触れる。
◆グループD《ラストシーンはひとりじゃない。》
木戸勝也は【おにぎりの会】でホームレス支援をしている。
彼はホームレスの方々に何を思い、行動し続けるのか…
◆グループE《緑よ、私の愛する緑》
「緑よ、私の愛する緑」は、うきはの土地と家族のもとで育まれた、若手造形作家・松野
真知さんの芸術とビジョン、それらを包む世界を明らかにします。
福岡の郊外にあるうきはでの暮らしと、数世代にわたり牧場を経営するご家族は、松野
さんの生き方と表現に大きな影響を与えています。家族、そして地域の暮らしを支える
仕事への誇り、愛と献身に満ち溢れたその文脈を通じ、彼の日常生活に宿る人間性を
あらわにします。
【展覧会概要】
レジデンス成果展示
第18回福岡アジア美術館アーティストイン・レジデンスの成果展 2022 「記録と表現ー立ち止まり、また動き出す 」
期間
2023年2月25日 (土) 〜 2023年3月5日 (日)
会場
▼ Artist Cafe Fukuoka内 スタジオ/ギャラリー 中央区城内2-5
11:00-17:00※2/27(月)休館
▼ 福岡アジア美術館 7階 アートカフェ 博多区下川端町3-1
9:30-19:30(金曜・土曜は20:00まで) ※3/1(水)休館